2019年5月から「平成」に変わって「令和」という時代が始まりました。
仕事や普段の生活で新しい元号を書く機会も増えてくることでしょう。
ただ疑問がひとつ、改元した年の2019年は「令和元年」になるのか、「令和1年」と書いてもいいのか迷っていませんか?
この記事では、「令和元年」「令和1年」のどちらが正しい書き方なのか、また、平成と書かれた書類の日付を、令和に訂正する方法について説明しています。
「令和元年」が正しい日本語
平成に変わった年もそうでしたが、和暦で改元の年は1年ではなく「元年」と呼び、書類などにも書きます。
これは省庁などが、平成に改元した際に、基本的に改元の年は元年で表記するとしています。
令和1年でも間違いではありませんが、1年よりも元年のほうが日本語的にも正しい表記とのこと。
ですから2019年5月1日から12月31日までの日付を記入するときは、「令和元年○月○日」と記入しましょう。
西暦 | 和暦 | 期間 |
---|---|---|
2019年 | 平成31年 | 1月1日~4月30日 (4カ月) |
令和元年 | 5月1日~12月31日 (8カ月) |
|
2020年 | 令和2年 | 1月1日~12月31日 |
2021年 | 令和3年 | 1月1日~12月31日 |
2020年1月1日からは令和2年、
2021年1月1日からは令和3年というように続いていきます。
平成を令和に訂正する書き方
改元日以降は、新しい元号に合わせて「平成」表記のものから「令和」に変更した書類に対応しているようですが、改元前の書類など「平成」表記の書類もまだあります。
「平成 年」と書かれている書類を訂正するときは、横に二重線を引き、その上か下のスペースに「令和」と書き訂正します。2019年5月から12月までは、令和元年になりますので、年の前に「元」と記入し、「令和元年」にします。
訂正せずに平成31年のままでもいいの?
元号が平成と印刷されている書類は、わざわざ訂正するのがめんどうくさいと思うこともあります。
『5月からも平成31年のままでもいいのでは?』
と思うかもしれませんが、政府の発表では、
〇改元日前までに作成した文書において、改元日以降、「平成」の表示が残っていても、有効である
〇改元日以降に作成する文書には、「令和」を用いること。やむを得ず「平成」の表示が残る場合でも有効であるが、混乱を避けるため、訂正等を行う
〇元号を改める政令の公布日から施行日前までに作成し公にする文書には、「平成」を用いる
とのこと。
やむを得ないケースをのぞいて、書類提出の際には「平成」から「令和」に訂正しましょう。
平成から令和に訂正する改元スタンプが便利
「平成」を「令和」に手書きで訂正するときに役立つのが、取消線付改元スタンプです。
横二本線を引いて令和と書きこむのは手間ですし、綺麗に早く訂正したい方にオススメです。
1枚2枚の修正なら手書きで訂正すればいいですが、何枚もあるときには元号を訂正するスタンプやハンコが便利。
文字のサイズもさまざまなものがありますので、訂正したい書類に合わせて使えます。個人ではそれほど必要ないかもしれませんが、オフィスでは必須ですね。
アルファベット表記は「R1」
年月をアルファベットで表すときは、REIWAとなり、頭文字は「R」になります。
アルファベット表記の場合は、元年の場合でも数字の1で「R1」と記入します。R元とは書きません。
令和2年のときはR2、令和3年はR3 となっていきます。
ちなみにアルファベットは過去の元号とかぶらないことが選定の条件と言われています。
明治以降だと、明治「M」、大正「T」、昭和「S」、平成「H」ときて、令和「R」ですので、かぶっていませんね。
明治 | M |
---|---|
大正 | T |
昭和 | S |
平成 | H |
令和 | R |
システム上は令和1年になってしまう
パソコンソフトなどシステム上の和暦表示は、元年ではなく1年と表示されることがほとんどです。
たとえば表計算ソフトのエクセルで、1989年(平成元年)1月8日以降の日付を和暦表示に変更すると、平成1年と表示されます。
今後さまざまなソフトで順次、新元号の「令和」にも対応していくかと思いますが、日付のシステム上「令和1年」と表記されます。
そもそも元年とは?
そもそも元年ってどういう意味?と思いますよね。
元年とは、元号が改まった最初の年(1年)のことを言います。
年の始まりの日のことを「元日」や「元旦」と呼ぶように、元年は始まりの年を表します。
通常は「元年」と呼び、「1年」ということはありません。
まれに、提出書類などで「元年と書かずに1年と書いてください」と指定されるケースもあるようですが、公的書類や印刷物の作成などは、改元された年は「元年」と書いておけば大丈夫です。
公的書類は和暦表記が原則
今まで市役所などに提出した書類を思い出してみてください。
20○○年という西暦表記よりも、平成○○年という和暦で記入するケースがほとんどだったと思いませんか?
従来から公的機関の書類については元号を使用する和暦表示が原則で、ほとんどの公的書類は和暦表示になっています。
ただ、和暦と西暦の読み替えが複雑なため、今後は「(省内の文書を含めて)基本は西暦を使うように変えていく」とのこと。
外務省では、西暦表記を原則とする手続きや時期について現在、検討を進めているそう。
西暦に統一されると分かりやすいですよね。
元号に多く使われる漢字
元号としては今回248番目になるわけですが、安の文字が入るのではないか?なとど予想もされました。
今までの元号の中で一番多く使われている漢字は「永」で29回使用されています。
次いで「元」・「天」の27回、
「治」の21回、
「応」の20回という順位です。
「令和」の「和」という漢字は、「昭和」など歴代のなかでも19回使われているので馴染みもある文字ですね。「令和」で「和」が20回になりますので、「応」に並ぶ使用回数になります。
さいごに
2019年5月1日に皇太子さまの新天皇即位に合わせて、同日午前0時から「令和」に元号が改められました。
令和元年になるわけですね。
令和1年と書くべきか令和元年と書くべきか迷っていたかたも多いのではないのでしょうか。
平成から令和に訂正する「改元スタンプ」も綺麗に訂正したいときや、枚数が多いときには使ってみてください。
1989年に「昭和」から「平成」へと移り変わったとき、私はまだ子供でしたが「平成」という元号に違和感を抱いたのを覚えています。
しかし何年も経つと不思議ですね、いつからか違和感もすっかりなくなるのですから。
はたして今回、自分の中でどれくらい経ったときに
『令和が時代に馴染んだなぁ~』
と感じるのか楽しみでもあります。